Book series #10 Female Persuasion

久々の英語の本です!

普段は、英語だとどうしても情報収集モードになってしまうので、寝る前の読書タイムはだいたい日本語なのですが、この前久々に本屋さんでふと気になって買った本です。しかも新書!私にはかなり珍しい笑 結果的には内容は3.5/5.0って感じかなー。


以下ネタバレ含みます。

あらすじとしては、ある高校生カップルが大学進学、就職、キャリアと成長していく過程を描いたものなのですが、シャイで自分の意見が上手くいえない女の子Greer(グリア?)の話と、いわゆる才気煥発なハンサムボーイでグリアのボーイフレンドのCory(コリー)、グリアが大学で友達になる裕福な家庭に生まれた反逆児お嬢様のZee(ジー)、グリアのメンターとなり、かつ上司にもなるFaith(フェイス)。4人の話がグリアを軸に入れ代わり立ち代わりという感じの構成になっています。物語は主にグリアとコリーの紆余曲折なラブストーリーが中心なのですが、もう一つの軸は現代におけるフェミニズム運動について。


というのも、フェイスは60-70年代にアメリカで起きた第2次フェミニズム運動のアイコンとして描かれていて、グリアは彼女に憧れてフェミニズム運動に傾倒していきます。まぁ彼女はシャイな学生からフェミニズム団体の運営に関わるようになり、最後のシーンでは自分の著書を書くほどにまで成長します。なんか彼女自身の成長はあんまり正直感じられないけど、まぁ酸いも甘いも経験していくわけです、一応。


それよりも私はコリーの話の方が興味津々だったのに、割合としては少なく(まぁ一応グリアが主人公だし)だいぶ端折られた感がある扱いだったのが残念。彼は高校からプリンストンに入り、グリアとの関係を温めつつも、持ち前のハンサムさと人懐こさで充実した大学生活を送ります。そしてまぁ、アイビーリーグあるあるなのですが「将来会社をスタートさせるための資金+経験値積む」を理由に大手コンサルに就職。そんな矢先に年の離れた弟が事故で亡くなり、ショックのあまり精神崩壊するお母さんを残して、自分の傷を癒やしにどこかへ消えてしまった父に代わって、お母さんの面倒をみるために地元に帰ります。アイビーリーグ卒の将来有望だった男の子が、弟の事故死をきっかけに地元に戻り、どんどん荒んでいき、グリアとも別れて、ドラッグに手を出しかけたりと底辺の生活を経験するわけです。そのうち、お母さんが元々やっていたハウスクリーニングの仕事を始め、電器屋でバイトする事でゲームデザインに目覚めていく。。といったストーリーで正直グリアの話より面白い。


終わり方もなんか雑だしね!最後の章になって「あれから何年…」っていうパターン。いやそれでも良いんだけどさ、正直私は慈善活動とビジネスの限界を知ったグリアがその後どうやってそこを両立させるのか(あるいは両立しないという選択をするのか)知りたかったし、コリーが「行方不明の大切な人を探す」っていうゲームのアイディアを育てていく過程も見たかったし、最終的にふたりは結婚するんだけどその間の事とかも知りたかったなぁー。


というか、総じてグリア以外のキャラクターの方が、人間性という意味でも、物語という意味でも深みがあって、リアルで、個性的なんだけど共感できるとても魅力あるキャラクターなんですね。そこが一番の謎ポイント。なんでグリアがこんなにメインなんだろ??


ただ、全編を通してテーマとなっている「現代を生きる女性のあり方」の様々な提案がされていて(結婚、離婚、仕事、LGBTQカップルなどなど)それがあくまでも自然に描かれているのは好感がもてました。幸せな家庭が一気に崩壊したり、血縁家族に依存しない生き方を切り開いていったり、仕事に打ち込んだり、間違った職を選んでしまったり。それぞれが、それぞれの試行錯誤を繰り返していっていて、自己嫌悪と戦ったり、フェミニズム運動の本音と建前の板挟みになって苦しんだりしていて、そこはリアルだったかなと。


正直、リアルさをもっと追求する事は出来たと思うし、結局最後はハッピーエンドなのは救われるような気もするけれど、実際どうよ?って気もするし。とりあえずグリアの魅力とか良さが分からなくて、なんで彼女がこんなに色んな場面でちやほやされるというか、助け舟をだしてもらえるのか、最後まで分からなかったなぁ。 


なんだかんだ言ってあっという間に読めてしまうぐらいには面白い本だったけどね!近所に面白いインディー系本屋さんが出来た事だし、時々英語の本も買おうかなと思います!

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