Beware of pseudo-science!

今回はちょっとギークな話を。


ノーベル賞の医学・生理学部門で京大の本庶教授が受賞されましたね!

毎年のように日本人研究者が受賞していますが(12年連続!)とっても名誉なことです。特にノーベル賞は基礎研究を評価する部分があり(もちろんダイオードなどの発明系にも賞を出しています)、途方もない時間とお金がかかるわりに結果が出るのは10年サイクルぐらいなので昨今のpublish or perish文化(論文を発表するか、研究分野から消えるか)ではなかなか認められない基礎研究が報われるのは同じ研究者としてとっても嬉しいです!


ちなみに、ノーベル賞は分野関係なく、原則として「1番最初に」何かを発見したり定義した人を表彰します。なので何かと「天才的な研究者」が1人か多くても2−3人で成し遂げた偉業のように見えるわけです。でも実際にはその教授の元で働く院生がほとんどの実験を行なっているし、学部の秘書だったりアドミンの人々に日々助けられているし(おじいちゃん世代の教授は特に、最新の大学のシステムについてけなくてアドミンのおば様達に頼りっきりです)、何より、彼らが発表した論文をきちんと引用してくれて、その論文の価値を上げてくれた他の研究者達がいたからこそ成し得た偉業なんですよね。


ちなみに理系分野では(文系でも似てると思うけどちょっと違う)以下のような形で人類の知識の貯蓄がたまっていきます。


このサイクルの中で「査定」と「同分野の研究者の反応」っていうのがサイエンスがコミュニティで成り立っているというところです。さらにこれが教科書に載るようなれっきとした「事実」になるにはこの サイクルを何百回、何千回と繰り返し、様々な角度から検証した上で科学的根拠のある事実になれるんですね。


そもそも研究者って疑い深い人が多いし、科学的根拠のある事実に辿り着くまでものすごーく大変だし、その情報を理解するのにもまたたくさんの訓練と教育が必要になるわけです。なので、科学的根拠というのはメーカーが数十人のモニターを使ってとったアンケートなんかよりも比べ物にならない説得力があるんです。


ただ、アメリカでは最近、残念なことにpseudo-science、エセ科学がはびこっています。流石に「このカプセルを飲めば痩せる」みたいな分かりやすい嘘は通じない消費者になりましたが、最近よく聞くのは

「幹細胞の力でスキンケア」(幹細胞は普通の化粧品の環境では死にます)

「脳を活性化するキノコ由来のエナジードリンク」(ただのキノコエキスとカフェイン)

「ブルーライトから肌を守るBBクリーム」(普通の日焼け止めと同じ)

「デトックスティー」(という名の下剤が入ってるだけの紅茶)

などなど。

パッと思いついただけでもたくさん目にするものがあります。あと巷で流行っている「スーパーフード」も怪しいです。確かに栄養素が豊富なのは確かかもしれないけれど、例えばケールの食べ過ぎは甲状腺に悪影響を及ぼすし、どんなものでも適量、そして何よりもバランス良く食べることが健康にも美容にも1番大切です。


さらにエスカレートするとスピ系なものまで。。スピ系に関しては、プラシーボ効果も無視出来ないというか、まぁお金出して良い気分になれるのであれば、別に人それぞれだなとは思うんです。クリスタルでも、セージの束に火をつけて部屋で振り回しても、人に迷惑しなければ良いんじゃないって思うんです。アロマテラピーに関してはプラシーボだけじゃない効果が実際に検証されているし、何より少量を吸引したり薄めて肌に触れたりするだけなので極めて安全。ただサプリメントとか化粧品とか、実際に人体に影響を直接及ぼすものがエセ科学の箔をつけられてマーケティングされてるのが、最近かなり頭にきています。


なので、エセ科学には注意しましょう。

エセ科学を見抜くポイントは...

1)やたら恐怖に訴えかけてくる(「実はあなたの身体にはこれが足りてない!」とか)

2)やたらとモニター実験を押してくる(「87%の被験者が効果を実感!」系)

3)「これを飲むだけ!」「塗るだけ!」「着けるだけ!」系

4)セット売り系(クレンザーと化粧水の相乗効果とかw)

5)毒素を出す・デトックス系(正常な肝臓と水でしかデトックス出来ません)


そしてちゃんと研究にお金かけている企業を応援しましょう!





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