A Saturday full of art

先週の土曜日は、ボストンでアートな一日を過ごしました。


メインの目的はボストンバレエ団のジゼルを友達と見に行く事だったのですが、マチネの舞台の前に久々にボストン美術館行きたいなぁと思って一足先にボストンへ向かいました。


大学でNYに来てから美術館デビューしたので遅い方だとは思うのですが(でも美術館デビューがメトロポリタンだったりMoMAだったりするのは、どんな贅沢ww)まぁぼんやりとした夢とはいえ、美術館づきのサイエンティストとして働きたいなと思っている私としてみれば、そんな夢を見させてくれる美術館はお気に入りの場所です。そしてなぜか一人で見たい。一緒に行った人と感想を話すのは好きなんだけど、理想はたぶん、一緒に行って、別行動して、カフェで再集合するパターン(美術館のカフェってなんであんな良いんだろw)

何が良いってやっぱ構成!森に取り残された孤独感と、彼女の肩と同じカーブの木。


今回、お目当てだったのはKay Nielsenというデンマーク人のイラストレーター。主に童話集や民謡集の挿絵のコレクションでした。挿絵といっても、むしろ絵や装丁が豪華な「ギフトブック」というカテゴリーに入る作品で、19世紀-20世紀初頭にかけて流行った贈り物みたいです。

ビアズリー風な黒白の作品。ここでもやっぱり構成が良い!二分割された室内と屋外、光の中にいる死神と、闇の中にいる病人の恋人と看病するピエロ。はぁ。素敵。


ビアズリーのような緻密な線だけど、物語の雰囲気に合わせて色使いや雰囲気がだいぶ違うのがニールセンの特徴かなと思います。ビアズリーの絵はグロくて気味が悪くて妖艶なのが魅力だけど、ニールセンのはあくまで物語の雰囲気やシーンが優先されてて、でも作品としても完成している感じ。まぁグリム童話とかと雰囲気が似ていて、ノルウェーの鬱蒼とした森とか、暗くて長い夜とか、そういうトーンはやはりあるので超ハッピー♪ っていう絵はあんまりなくて、どの絵もうっすら暗いトーンではありますね。

豪華で緻密な衣装や装飾が、真っ黒な背景とすごく良いコントラストになってて、右側にたつ鳥みたいな龍みたいな女性は一体何者?部屋が暗いから足が見えないの?ロウソクと同じ白でまっすぐ立つ女性は闇に溶けてしまうのか、それとも光の象徴なのか?


こんな面白い絵ばかりだったので、危うくバレエに遅れそうになってしまうぐらい見入ってしまいました。で、慌てて美術館を出た後に「あーやっぱポストカードぐらいは欲しいな」って思い立って猛スピードで戻ってギフトショップを物色したらなぜかポストカードは見つからず、代わりに物語と挿絵が両方収録された本が最後の1つ残っていたので、それを買って(ギフトショップの人に「こんなの売ってたの?僕も欲しい!」と言われる笑)また猛スピードで地下鉄の駅に戻る(警備員さんに「本当に忘れ物ない?」って笑われるww)


あと、ロード・オブ・ザ・リングや、ハリー・ポッターにドハマリした小学生時代を過ごした私としては(クリスマスにかなりおどろおどろしい魔女図鑑とか貰ってた笑)昔話とか、民謡ってすごく響いてくる要素があります。何通りもの解釈の仕方が出来て、かつ人間の本性みたいなのが分かりやすく登場するし、無駄に深読み出来てしまったりする。意外と面白いのが童話ならではの不自然さ!例えば、美女と野獣のノルウェー版みたいな話があるのですが、そこで美女は8人兄弟の末っ子で、お父さんとお母さんは野獣に「末っ子くれたら君たちが一生安泰に過ごせる豊かさをあげよう」と言われて「んじゃー仕方ないか!家族のために、いっちょ頑張って!」と娘を説得しちゃうとか!笑 


普段ゴリゴリ理系な事してるし、わりとロジック好きな方なので、意外~って言われるけど、私の中にはやっぱりおとぎ話やファンタジー大好き少女がいつまでもいるんですよねwでも彼女のおかげで、芸術に心動かされるぐらいの感性やセンスもあるわけなので、それはそれで良かったなと心から思います。


Happy rest of the week!



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