とーーーってもカラフルな映画をみました。
気持ち的にも、視覚的にも。
有名な画家、フリーダ・カーロの生涯を描いた映画、Fridaです。
実は結構前の映画だったんですねー 2002年でした。
素晴らしいキャストで引き込まれる演技はもちろんの事、本当に綺麗な映画でした。
グロいシーンもたくさんあるのに、1コマ1コマいちいち綺麗で。
視覚からくる映画、かなり好みです笑
以前に美術史のクラスでちらっとMexican Muralismをやったのでそれも良かったのかも。
カーロは本当にものすごいつむじ風を起こして生きた人でした。
たくさんの悲劇と喜びを、情熱と共に、大胆に、自分の欲求に素直に生きた人だと思います。
彼女の絵を見ると、見ているこちらが痛くなるような、リアルな痛みを伴う。
しかも、頭蓋骨が割れるような、背骨が裂けるような、気を失うような痛み。
でも同時に、その痛みに耐えながら前に進む彼女の強さに圧倒される。
ボクサーが、半端なく強い相手に強烈なパンチを食らわされたらこんな感じかな。
頭が真っ白になるような痛みと、
同時に「こいつ強ぇ、かなわねぇ」という感覚と、
そんな相手と戦えるんだ、俺は。という場違いに強烈な喜び。
全部が一緒になってクラクラするような。
The Broken Column (1944) // この絵はまさに強さと痛みにノックアウトされます
実際、彼女の人生は物理的な痛みに溢れていた。
18歳で美しさの盛りの時にあったバス事故で背骨、肋骨、下腹、などなどを怪我。
以来人生の間に30回以上もの手術を繰り返した上に3度も流産を経験している。
感情面でも、痛みは彼女を離さなかった。
夫のディエゴ・リヴェラは、時の人。画家で、カリスマ的な彼の周りには女が絶えない。
激しく愛する愛し方しか知らない彼女には、同じく激しく傷つく人生しかなかった。
The Two Fridas (1939) // 妻?娘?女?色んなフリーダがいるけれど、痛みは同じ。
でも凄いなと思うのは。
カーロの女性性こそが、彼女を傷つかせ、立ち上がらせる事。
レズビアンに傾いた事もあるし、バイだったのかも知れないけど、彼女は一貫して女だった。
こんなに痛みが伴う人生は、女性じゃないと生きられないのかも知れない。
心も身体も痛い時、彼女は痛みと真っ正面から向き合うために絵を描く。
そこには逃げられない、というあきらめよりも、逃げ出さない、という挑戦を感じる。
そして最後には、痛みを受け止めるだけの途方もない優しさと器の大きさを手に入れる。
この、痛みを迎え入れるという境地は、なかなかたどり着けるものじゃないと思う。
若い間こそ、悲劇の中を男勝りにバッサバッサと敵を倒しながら進んで来た彼女だけれど、
成長するにつれ、そんな悲劇でさえ自分の一部だとでもいうように抱きとめるようになる。
その圧倒的に女性らしい強さは、本当にカッコいい。女でも惚れます笑
Lab 2107
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